青梅の家(T邸)

都心から列車で1時間ほど離れた山と谷の間に位置する住宅。
敷地は南側に鉄道敷と遥か先の風景を見晴らし、北側には目前に迫る杉木立の山が控え、明確な方向性と前後の高低差を持っている。
都市が終わり、自然が始まるこの敷地で、私たちは、日溜まりと木陰のような静けさを持ち、開放感と快適な温熱環境の共存する住宅を作りたいと考えた。
室内は、高低差のある敷地前後のランドスケープを増幅するようにレベル差のある構成で、眺めが良く生活の主な場面となる2階は、1階に対して南北に張り出した構造である。
開放的な室内空間を青梅の厳しい寒暖差に耐える快適な環境とするため、全ての開口部にはペアガラスを使用し、外壁と屋根に現場発泡断熱材を充填することによって、次世代基準を1.5倍程上回る断熱・気密性能を確保した。外部負荷による温度差が軽減され、室内各所に設けられた窓によって、常に微風が流れ、恒常的な重力換気が可能となっている。
室内の仕上げは、居室床には赤褐色に染色したタモの無垢材を用い、対照的に玄関と浴室の床には緑色を帯びた自然石(十和田石)を張った。壁には部分的にラワン合板を用いている。
外壁には、やや赤みを帯びた鋼板を使った。背後の山の緑と外壁の赤が、互いに引き立て合うと思ったからである。

(第19回「準TH大賞」受賞作品)

名称:青梅の家(T邸)
施主:個人
所在地:東京都青梅市
用途:戸建住宅
面積:119.71m2
竣工:2008年8月
基本・実施設計:カスヤアーキテクツオフィス(粕谷淳司・粕谷奈緒子・菊地臨)
監理:カスヤアーキテクツオフィス(粕谷淳司・粕谷奈緒子・菊地臨)
構造設計:小西泰孝建築構造設計(小西泰孝)
施工:小川建設株式会社(石橋正哉)・有限会社誉建築(小松聡・鈴木隼)
撮影:吉村昌也・カスヤアーキテクツオフィス

Project name: T House in Ome
Client: Personal
Project site: Ome,Tokyo, Japan
Function: Private House
Size: 119.71m2
Design & Supervise: Atsushi+Naoko Kasuya, Linn Kikuchi(KAO)
Structural Design: Yasutaka Konishi (KSE)
Contractor: Ogawa Kensetsu Co.,Ltd. , Homare Kenchiku Co.,Ltd.
Photo: Masaya Yoshimura, KAO